お気に入り短歌

この日付の朝日新聞朝刊「歌壇」より

・医師からの宣告受けても脳内に浮かんだことばはまじかの三文字(奈良市 渡辺さん)
→まだお若い方なのだろうか。

・晩酌し三食きっちり食べる夫冬眠という手立てはないか(福岡市 永井さん)
【高野公彦評:第三首、退職後の夫がずっと家にいると、ついこんなことも考える】
→歌を見るだけで、この永井さんという方が三食きっちり用意してしかもおつまみも作って、と、かいがいしく夫の世話をしてるんだなと分かる。私にはとても無理。

・わからなくなってきたのが日本語で真摯、寄り添う、謙虚、丁寧(行方市 前野さん)
・解釈はたったひとつで九条を読めば誰でも解る九条(東京都 東金さん)
→ひとつは複雑、ひとつはシンプル。確かにここ数年は「粛々と」がすごい腹立つようになった。

新雪にぬきさしならぬ用ありと犬の足あと猫の足あと(新潟市 山影さん)
→北国にいくと、寒い朝でもヒトと犬の足あとがついていて、こんな時にでも散歩にいくなんて、と感心しつつ、数時間前の誰かと1匹のすがたがいまでも残ってるという当たり前のことに驚いてしまう。