益田ミリの「心震えた あの言葉」

●この日付の朝日新聞朝刊「オトナになった女子たちへ」より

益田ミリが引用していた、障害ある息子さんを案じて書かれた面谷園子さんのエッセイを私が孫引きする。

多少の不自由さはあるにしても、字や時計を読めるようにすること、お金が使えること、他人に迷惑をかけないこと、危険から身を守ること、余暇の楽しみを持つこと。(中略)安定した気持ちで暮らすこと、人の輪の中に入ること」

これを引用した益田さんは

私は今、ものすごいものを読んでいる!と震えたものだった。「余暇の楽しみを持つこと」の一文は、愛そのものだ。

と述べていた。そんなことを感じるのかと、逆に益田さんの感性に私が震えた。
そこでもういちど面谷さんのことばを読み直した私は、むしろ「安定した気持ちで暮らすこと、人の輪の中に入ること」が心に刺さった。障害のある息子さんに「せめて」と願うことが、果たして私に出来ているのだろうか、と。