読みたい本 『毫モ異ナル所ナシ−伊澤修二の音律論』


副題がなければ何が何だか分からない。副題があってもよく分からない。で、これを関学教授の吉田孝氏が紹介している文章があって、それを読んでやっとこさ意味が分かった。


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何と何が「毫モ異ナル所ナシ」なのかというと、それは日本音楽と西洋音楽の音律であった。シロウトの私ですら「ほんまかいな」と思うのだが、それを主張した伊澤という人は明治12年に設置された「音楽取調掛」の長であったという。で、この主張を前提として事業が進められていくが、本書はそれはちょっとちゃうんちゃうか、「この一致は事実ではなく、一つの制作だったのではないか」(吉田氏評より)ということを言うてるらしい。


「本書は伊澤が示した音律一致の根拠を検証しつつ、その根拠が妥当なのか、なぜこれほどまでに音律一致にこだわったのか、音律の一致を主張することによって何を目指していたのかについて考察する。そこから、現在の音楽教育のかかえる問題も見えてくる」(同)



最後の一文に注目。これは私やあなたが実際に受けてきた音楽教育の根っこ部分につながってくるのだ!! 学校で無意識のうちにすり込まれたもの、それがたぶん自分が気づかないうちに自分の内なる音楽を形作っているはず。その根底をゆるがすような結果が・・・あるのだろうか。読むのが怖い。