家に棲むもの

仕事帰りにふらっと古本屋にたちよって購入。


家に小林泰三(こばやし・やすみ。たいぞうではない)の本がたくさんあるが
この本のタイトルはみかけないので、最初ちょっと立ち読みしてから買った。


が、4つめの短編「肉」の登場人物のへんな名前とマシンガンのような関西弁を目にしたとたん、
「あっこれいぜん読んだかも」とうっすら気づいてきた。


しかし、それから最後まで読んでみても、合計7編の短編のうち、
「おぼえがある」と思えたのは、3つくらいだった。
あとは、完全に新たなものとして読んだ。


もうボケが始まっているらしいが、ポジティブに考えれば、
一粒(一冊)で二度三度楽しめる、ということで、お得な人間なのかも。


***

しかしまあ、人に生理的不快感を与える記述はほんまにピカイチ…。


それと、「食性」で登場人物の口を借りて言っていることは、
作者が普段から強く感じていることなのかもしれないなと思ったりした。


あるいは、そういうふうに論理的につきつめていろいろ考えるのが好きな人なのかも。


家に棲むもの (角川ホラー文庫)

家に棲むもの (角川ホラー文庫)