合唱教育とポップス

この日付の朝日新聞朝刊
(記者有論)合唱教育とポップス 人生の指針となりうる曲を 吉田純子
http://www.asahi.com/articles/DA3S12991485.html


私が小中学校で親しんだ合唱曲に「翼をください」「虹と雪のバラード」「あの素晴らしい愛をもう一度」などがある。これらは、一世代上の人々にとってはポップス(歌謡曲)になる。人によっては違和感があったのかもしれない。

そして、この問題はいまも続いている。私が思ったのは、ここで述べている「合唱教育」という視点だった。
吉田記者はNHK合唱コンクールの課題曲となったAKBの曲を挙げて問題点を指摘する。

・旋律の音域が広すぎる。
・歌詞と旋律の関係。歌詞が旋律の流れに沿っておらず、文脈を持たない単語がぶつ切りになって聞こえてくる
・旋律の印象が強すぎて、伴奏が凡庸になりかねない
・全ての声部が台頭に主張しながら響きを編むという合唱本来の精神に合うか

なるほどね。いわゆる唱歌や合唱曲というものは、そういうことをちゃんと織り込んで繊細に作られていたんだと。

自分たちが親しんでいた冒頭の合唱曲はそういう点で専門家からみてどうなのか、ということは私にはよく分からないけれど、ただ「現代の曲を」という目線だけではとらえられない、教育の場での音楽というものの奥深さを実感した一文だった。