お気に入り短歌&人形の家

この日付の朝日新聞朝刊「歌壇」「俳壇」より

●3キロの仔ねこをいだきおもいだすあのひうまれたちいさなきみを(新潟県 熊木さん)

→「猫」「ネコ」いろいろあるがやはりひらがなの「ねこ」が愛らしい感じがする。このうたも、最初は子どもかなと思ったけど、子どもは「仔」なんて漢字しらないやろから、たぶんおとなだろうなと。

3キロと数字で言われても、5キロの米袋よりは軽いやろけど・・・くらいしか思いつかず、でっかいのかそうでないのかいまいち推測できない。でも、なんかでぷねこっぽい仔ねこが作者にびろーんって持ち上げられている様子を想像してしまう。


●久女にもノラにもなれず葱を抜く(茅ヶ崎市 清水さん)
大串章評:第一句。「足袋つぐやノラともならず教師妻 久女」を踏まえる。ノラはイプセン作「人形の家」の女主人公。】

→これを、「ノラねこ?」と空目(そらめ)する自分もどうかと思う。「描」の字も「猫」に見えて二度見してしまう。

それはそれとして、高校の教科書などに載っている有名な「人形の家」だが、今年、通勤中に「スマ」(フォン=電話は入ってないのでスマホではない)の青空文庫アプリで読んだことがある。でも読み終わっても、いまいちぴんとこなかったというか、拍子抜けしてしまった。翻訳調になじめなかったせいなのか、とも思ったが、なんかもどかしかった。

でも、おそらく「拍子抜け」の一番の理由は、教科書などの記述から自分が勝手にイメージしていたドラマチックな話とあまりにもかけ離れていたからだと思いあたった。当時はこのくらいの話でもものすごい「自立」だったのだろう。