先生がぶざまな姿を生徒に見せることも大事
2010年7月26日付朝日新聞朝刊社会面
数学者 森毅さん死去 社会・教育・文学…よろず評論
あえて見せた「失敗」 ■ いち早く時代つかむ
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森毅氏についてはとくに思い入れはないのだが、訃報を伝える記事の中で
印象に残ったものがあった。その一つ。
「確かに僕はずぼらだったけれど、先生がぶざまな姿を生徒に見せることも大事なんだよ」
私も、教壇で赤っ恥をかいたことが何度もあった。ごく最近もあった。
そんなとき、ほんとうに仕事やめようかと思うくらい恥ずかしくて、
学生さんもきっと「こんな無能な先生には習いたくない」と思われ、信用を無くすだろうと、
自分がイヤになって、ずっとひきずるタイプだった。
でも、こういう言葉を目にすると、もちろん状況も能力もまったく違うけれども、
ちょっと、救われたような気持ちになった。
あと、この記事ではないけど、翌日火曜のラジオで森氏のことを報道していたとき、
パーソナリティが話してくれたエピソードも記しておきたい。
それは森氏が大学生のとき、その父親が言ったということば。
一語一句そのままではないかもしれないけど。
「大学をさぼるなら、授業に出たよりももっと充実した時間をすごせ」
さぼるってことは本当はよくないことなんだけど、でも、ただだらだらしたり、
めんどくさくてさぼるとかじゃなく、自分にプラスにするような時間の使い方をする、
その経験は、長い目で見たら、その人の人生の糧となるかもしれない。
そう思うと、さぼられ甲斐(?)もあるというものだ。
もひとつ、そのパーソナリティいもおさんは、出席数を考慮してという学生に対し、
「ほな、さぼってる人が点数とれなかったらしゃーないけど、
ちゃんと授業に出てるもんが悪い点数やったらもっと厳しくせえいうことか」
とかいうたら、その学生が黙りこんだ、というエピソードも紹介していたけど、
こちらに関しては個人的にあまり共感しなかった。
追記:このラジオでの話は、どうやら朝日新聞の7月27日付天声人語の
内容を紹介したモノのようでした。
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