笑うカイチュウ 読了

昨夜、藤田紘一郎『笑うカイチュウ〜寄生虫博士奮闘記』を読み終わった。


これもナイトキャップがわりに読んでいたものだけど、
たぶん、過去に一回読んだことがあったような気がする。
その当時の私は、小学校の保健室にあった模型を思い出していた。


それは人体の腹部がそぎ落とされ、内臓がむき出しになっていて、
そこに、寄生虫が2〜3匹、ながながと住み着いている模型だった。
どんな材質を使っているのか、内臓と寄生虫がぬらぬらと光ってみえる。

こどもごころに気色悪さを感じながら、でもコワイモノ見たさの方が勝って
ついまじまじと見てしまったものだった。


今回再読して、カイチュウの人生?というのか、
  まずAに食べられ、排出され、それがBに入って、とか
  まずCに寄生して幼虫になり、そのCがDに食べられたらDの中で初めて成虫になり、
  そっから卵を産んで…
とかいう、複雑な生活史に改めて驚嘆した。まさに、食物連鎖
生態系の連鎖に巧みに乗って、命をつないでいるのだなと。


その輪がつながらなかったら、そこで生命は終わってしまう。
あるいは、間違った宿主に入っちゃったら、害を及ぼす存在になったり(アニサキスとか)
こんな生きものが生み出されたという不思議さ、生命の神秘を感じました。


大学のときに、教養で取らされた生物学で、擬態について学び、
超文系の私は最初は仕方なく授業に出ていたけれども、やがて
だましだまされ進化していくその過程にどんどんひきつけられていったことを
懐かしく思い出したりした。


笑うカイチュウ (講談社文庫)

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