朝から疲れていた。
職場まで、階段状の坂道を
足取り重く、登っていた。
この日は久しぶりに暑くなって、
それも、疲れを倍増させていた。
しかしふと、緑の濃いにおいが
鼻腔に飛び込んできた!
坂道の横の斜面を宅地造成していたからか、
あるいは、道沿いの家の垣根が剪定されていたからか、
まるで森の中のようなすがすがしい緑のにおいが
道いっぱいにひろがっていたのだ。
その瞬間…。
朝から体に澱のようにたまっていた疲労が
すっと消えた。
ぼーっとなっていた頭のなかが
もやが晴れたようにクリアになった。
なんというか、緑の効用って
こんなに効くんだなあと改めて思ったのだった。