東田直樹さんのことば

NHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」
http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586825/


東田さんの本を読んだことがあったので、この日あった番組を録画して後日みた。
彼の動く姿を見たのははじめてだった。

なんというか、最初のうちは、いや最後まで、ほんとうにこの人があの本を書いたのだろうか
ということが、なかなか頭に入ってこなかった。

電車の中とかでときおり見かける、ずっとぶつぶつつぶやいたり、どなったりする人たち。
私は見るとどうしても身体を硬くしてしまう。
分からない、理解できない、こわい、という感情に支配されて、視線をそむけてしまう。

でも、東田さんの本を読んで、そういう人たちにも、内面には実に豊かな世界が広がっており、
楽しんだり、傷ついたりしているんだということを理解するようになった。

でも、理解するのと、実際にそういう人を目の前にするときの感情とは、まだまだ相反するものがある。
映像の東田さんを見ながら、その相反する自分の葛藤に気づいてしまう、それが我ながら苦しかった。

しかし、彼の言葉は、やはり私の心にささるものだった。
特に以下の言葉が。

HPから引用する。

「僕は命というものは大切だからこそ、つなぐものではなく、完結するものだと考えている。
命がつなぐものであるなら、つなげなくなった人は、どうなるのだろう。
バトンを握りしめて泣いているのか、途方にくれているのか。
それを思うだけで、僕は悲しい気持ちになる。
人生を生き切る。残された人は、その姿を見て、自分の人生を生き続ける」。