蒲生の大クス
2010年11月12日朝日新聞夕刊
ニッポン人・脈・記 木よ 森よ〔14〕
巨樹の下 ちっぽけな自分
その記事の写真に目が釘付けになった。
巨大な木の根元にドアがついていて、その戸口で成人男性が中腰になっている。
記事を読んでますますびっくりした。
これこそ、「蒲生(かもう)の大クス」の現在の姿だった。
鹿児島県姶良郡蒲生町は、父方のふるさとであり、
こどものころは、ときに両親とそこに泊まることもあった。
ぶらぶらと散歩すると、神社があって、そこに巨大なクスノキがあって、
根本にぽっかりとあいたウロに入ってふざけている私の写真も残っている。
記事を読むと、その神社は八幡神社というらしい。
もう何十年も前の記憶が、ぼんやりとよみがえってきた。
「翔ぶが如く」がドラマ化されたときに、
舞台になったとかで、この大クスもちょっとは話題になったようだけど、
それさえもう、十何年前のことになってしまった。
(いま調べたら1990年だった。ぴったり10年前か…)
大阪の、うちの近所の寺にも、けっこう大きいクスノキがある。
でも、やはり九州のほうが、クスノキが多い印象がある。
「佐賀県民の歌」(いまも歌われているのだろうか)にも
サビに入る直前に「クスノキの クスノキの 茂るふるさと」と
もりあがる箇所があるくらいだ。
クスノキの話題は、子どもの頃の思い出をふと呼び覚ますのだなあと
改めて実感した。
↓ これが『翔ぶが如く』(読んでないけど)
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